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中学生までに読んでおきたい日本文学 [中学生までに読んでおきたい日本文学]

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「中学生までに読んでおきたい日本文学」全10巻
編者 松田哲夫の言葉
私は、このアンソロジーを編集するにあたって最初は小中学生が読むということを意識していました。
でも、さまざまな作品を読んでいくうちに、そういう枠をはめずに自由に作品を選びたいと
思うようになりました。

なぜなら文学というものは本来、あらゆる制限から自由なものであり、そこに価値があるからです。
もちろん、本格的な文語体など、脚注やルビを充実しても理解しにくい作品はあるでしょう。

そこで、最終的には小中学生だったころの自分を思い出しながら、いま読んで面白いと感じられる
作品、作者の発したメッセージがしっかり伝わってくる作品だけを選びました。

その結果、「毒もみの好きな署長さん」(宮沢賢治)、「土佐源氏」(宮本常一)、
「鉄路に近く」(島尾敏雄)といった、教科書には決して入ることがないような作品も
目次に並びました。

これらの作品には道徳的ではないエピソードも書かれています。
それだけで、子どもたちに読ませることをためらう人もいるでしょう。

でも、これらの物語の核心にはきわめて純粋なものがあり、生きていく上でとても
大事なことを問いかけています。

したがって、これらの作品を通して作者が伝えようとしたことは、年若い読者にもまっすぐに
届くはずです。選び抜かれた文学作品には、そういう力が秘められている。
私は、そう信じています。


上橋菜穂子さん レビュー
なんと容赦のない、なんと爽快なラインナップだろう。
中学卒業までに読んでおくべき本」として、「土佐源氏」が入っていたりするのだ。

川の澱みに流れついたような人生を、なんの飾りもつけず淡々と語っているがゆえに、
人にとって大切なことが静かに胸に迫ってくる、この素晴らしい口述記録や、
小説の名作がずらりと並んだラインナップを眺めていると、まるで、そそりたつ壮大な雪の
峰々を眼前に見ているような気もちになる。

人はこういうものを創りだせる生き物なのだと子どものときに知ることができるほど
幸せなことは、そうはあるまい。

先人は、たとえようもなく大きく、手ごわい。そう感じた子は、
きっと、己が踏み出していく世界を、どこまでも広いと思えるはずだから。

第6巻 「恋の物語」収録作品
阪田寛夫   練習問題
木山捷平   うけとり
尾崎翠    初恋
堀辰雄    燃ゆる頬
三島由紀夫  三原色
江戸川乱歩  人間椅子
芥川龍之介  好色
菊池寛    藤十郎の恋
宮本常一   土佐源氏

松田 哲夫<プロフィール>
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1947(昭和22)年東京生れ。 編集者、書評家。 1970年に筑摩書房入社後、浅田彰『逃走論』、
赤瀬川原平『老人力』、天童荒太『包帯クラブ』、『ちくま文学の森』など数々のベストセラーを
生み出し〈ちくま文庫〉を創刊する。
著書に『印刷に恋して』『「本」に恋して』『縁もたけなわ』などがある。
筑摩書房の書籍編集者として「ちくま文庫」「ちくま文学の森」「ちくま日本文学全集」
「ちくまプリマー新書」を創刊。 松田哲夫 編集 書籍

中学生まで読んでおきたい、というがむしろ高齢者やあまり本を読まない若い人たちで、
長編の本を読むのは億劫だという方々がてにとるにふさわしい短編ばかりだから取りつき易い、

中高生にとって文豪だといわれたり教科書や授業となると堅苦しくなり物語を楽しむと
言うより問題を解くために読むことになってしまうこともあると思うのだが、
このような鋭い短編に親しんでから長編に臨んだほうが日本文学に親しめるように思います。

大作家のかくれた小作品だが年少者で大人の読む本を背伸びして読むのには一寸厳しいが
皆短編なので読み終えれるだろう。

この日本文学は教科書にも出てくる文学者であり、一遍を読み終えたら何を思うかです。
読み終えての思う心はいつまでも心に残る事でしょう。

これを中学生までに読み込めれば文学はもちろん相当高い見識を身に着けられるでしょう。
総ルビに近い形でルビがふられているので小学生に背伸びさせるのも可能です。

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第8巻は「こわい話」収録作品
萩原朔太郎 蛙の死
夏目漱石  夢十夜
内田百閒  豹/鯉
江戸川乱歩 白昼夢
半村良   箪笥
岡本綺堂  利根の渡
中島敦   牛人
菊池寛   三浦右衛門の最後
坂口安吾  桜の森の満開の下
夢野久作  瓶詰地獄
星新一   鏡
山川方夫  お守り
志賀直哉  剃刀
島尾敏雄  鉄路に近く
太宰治   トカトントン

この巻で個人的に特に印象深いのは、短くても強烈な夏目漱石「夢十夜」
雨月物語を思わせる岡本綺堂「利根の渡」、じっくり怖い中島敦「牛人」
めくるめくイメージで桜の認識が変わる坂口安吾「桜の森の満開の下」

私小説の作家がこんなものをとびっくりの、志賀直哉「剃刀」などは。
読みにくい話もあったけど、じとじとして後味の悪い話ばっかりだったので読んでて
本当にこわかった。

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第9巻は「食べる話」
食べることをテーマにした名短篇がずらり。
実際に食べている最中よりも過去を思い出したり、妄想したりする方が幸せなんだなって
ことが感じられる。

岡本かの子『鮨』は潔癖性由来の拒食症ぎみの男の子が母の握った鮨から食に好意をもって、
他の物も食べれるようになった話。親の愛情を直に浴びるような心温まる話だった。
それを鮨屋の娘さんが早熟な恋慕めいた雰囲気で聞くという。

第9巻は「こわい話」収録作品
石垣りん  くらし、岡本かの子/鮨、
志賀直哉  小僧の神様、
芥川龍之介 芋粥、
矢田世津子 茶粥の記、
子母澤寛  冷や飯に沢庵、
幸田露伴  野道、
深沢七郎  いのちのともしび、
森茉莉   ビスケット、
種村康弘  幻の料理、
古川緑波  富士屋ホテル、
色川武大  大食いでなければ、
向田邦   /ごはん、
武田百合子 枇杷/夏の終わり、
宮沢賢治  注文の多い料理店


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中学生までに読んでおきたい日本文学
1巻から10巻までを各々1巻づつ購入もできます。(サンプルが読めます)
①・悪人の物語 ②・いのちの話 ③・おかしい話 ④・お金物語
⑤・家族の物語 ⑥・恋の物語 ⑦・こころの話 ⑧・こわい話
⑨・たべる話
⑩・ふしぎな話



中学生までに読んでおきたい哲学(全8巻)
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1巻から8巻までを各々1巻づつ購入もできます。(サンプルが読めます)
①・愛のうらおもて ②・悪のしくみ ③・うその楽しみ ④・おろか者たち
⑤・自然のちから
⑥・死をみつめて ⑦・人間をみがく
⑧・はじける知恵

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